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花の座 伝芭 sansa座 第3季のご案内

 「花の座 伝芭」は、赤坂の素敵な空間での少人数の座です。

「伝芭」とは、『楚辞』「九歌」のうち“礼魂“の詩にみられる言葉。“礼魂“は、祭りが終って神を送る送神曲。願いが届き、その音信 が届いたことを祝い、太鼓に合わせて巫女たちは手から手へと花を手渡し、受け取った花を持ってかわるがわるに舞う。美しい巫女た ちは歌いながらゆったりとやわらかく舞う。それを「伝芭」というそうです。「伝芭」の「芭」は「松尾芭蕉」を彷彿とさせてくれますので気に入っています。

花は依代として捧げられ、やってくる音信を聞くものであり、身につければその力が憑ると信じられ、また触れるもの活けるもの見るものを清めてくれるものでもあります。古代からのこのような感覚は現世を生きる私たちにももちろん受け継がれています。


+「花を依代に “魂“について それぞれの心身で感じること」
植物は尊い存在です。その植物に再び近づきたい。めぐりくる季節の花を標に、神話を始め、古くからの歳時記の植物にまつわる記述、編まれている歌を読み、「めぐり花」という花の連句や1人で活ける稽古を通じ、自分の身体で、心で、その花を、めぐる季節を、過ぎゆく時を感じ、自らを、関係 性の中で発掘し、座の中で照応しあっていく。ここで別世を過ごし、別世が日々に混ざっていく。同じ自分だけど別の自分と出会える 場を人は必要としていると思います。ともすると自分を囲い込んでしまいがちだから。芸能や 芸術にまつわる連とか座は、自身が解放される自由の場としてあったのではないかと思います。心身を調律し、和する調和の座が必要だと思います。手すりは植物そのもの、暦、言葉、文字、それに皆さん自身の感じ方です。 一瞬一瞬が深みを持ち、丸く膨らみ、内と外の境界が薄くなり、たましいがゆたかになること。言葉、歌と花で天と地と、その間で 生きるものたちとの綻びを繕い、結び直していけたらと思っています。


+「めぐり花」

「めぐり花」は、めぐる季節の中で、めぐる季節のシンボルである花を愛で、めぐり合いに感謝し、まためぐりあうことを祈って、 花に仮託した想いを放ち、切り結ぶ振る舞いです。ほんのささやかな“今ここ“との逢瀬ですが、儚い分その思いが重力となり、磁場を持ちます。 花を改めて天地の間に立てることで、目には見えない世界との音信に耳を澄ます。活けた花が「依代」となることができれば、その 場は生々として、音ない(訪れ)を聞く。役目を果たした花は、またいつかめぐり逢えることを願って送られる。

現代において、ともすれば消耗品になりがちな花、何度も身体を通すことで、彼らが教えてくれることが限りなくあるようです。 「めぐり花」は花の連句。共創する「まつり」。その空間は花による荘厳を待ち、自ずと立ち上がっていく物語に身を任せ、花の側 なる自らの生命を感じることになるでしょう。

+ 花の祝祭                                  

「花綵列島」と呼ばれる多島海列島に暮らしていると、多層多様な見えない音楽は、歌声はポリフォニックで、世界に満ち溢れている。しかしその速度はあまりに早く一瞬で流れ去ってしまう。同時にあまりに微細でよく耳を澄まさないと聴き逃す。それらはいつも境界に顕れては消え ていく。何かの意思として、訪ないを持って、闇に光る美しきもの。このささやかな顕れに、私たちはとても敏感だったことが和歌や芸能を 学ぶとわかってくる。

表徴のその最も美しく勁く、艶やかで儚いものの一つが“花“。

花を活ける人々は、そんな花を引き寄せ、八百万の神々の徴である花ばなを立てる。花咲く風土の祝祭。折々の瞬間瞬間への祈り。人と花 との嬉しさが集まって花綵列島そのものの祝祭となる。 ここ「伝芭」は「はなのみち」のお稽古より踏み込んで、月雪花の文芸に学び、めぐり花を通して、旬の植物に触れ、自我から離れた母な るものとの触れ合いの場としたいと思っています。

○場所 Sansa
  東京都港区赤坂 2-20-19 赤坂菅井ビル1F 

○2024年度の日時

    2024・4・20 / 5・11 / 6・15 / 7・13 / 8・24 /9・28/

    10・26 / 11・16 / 12・21/ 2025・1・18 /2・22 /3・22 

  いずれも土曜日 13時半~15時半くらい

   (13時から準備、お店の営業があるのでお掃除も含め16時までに撤収)

○講師 塚田有一 有限会社温室代表

       赤坂氷川神社花活け教室「はなのみち」他 作庭やグリーンの空間編集など

       数多く手がけています。他のジャンルのアーティストとのセッション多数。

○持ち物:花鋏・お持ち帰り用の袋、あるいは包めるもの(枝物が多いです)

○年会費 :12,000円

*会費 1回あたり8,000円(税別)花材費、場所代、おやつ代、テキスト製作費など含む (花材はお持ち帰りいただけます) 。上記は年会費をお支払いいただいた方の金額です。年会費のお振込先は、お申し込みいただいた方にお知らせします。

**単発でご参加の場合は9,000円(税別)とさせていただきます。会費は当日会場にてお支払いください。

***年会費をお支払いいただいている方が優先となります。単発の方はお休みの方が出た場合のご参加ということになりますのでご承知おきください。

**※*キャンセルにつきましては5日前まで。当日のキャンセルにつきましては花材やおやつなども手配済みとなるため、後日全額徴収とさせていただきます。

○くわしくは問い合わせフォームよりお願いいたします。

  https://onshitsu.jp/contact/