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赤坂氷川神社花活け教室「はなのみち」第8季5月『端午の星』

穀雨の終わり立夏を前に、教室の日(2024年5月1日)は終日雨だった。

夕刻、準備で境内に足を踏み入れると、濃い花の匂い、葉の吐息が雨に流されながらも時折プンと匂う。

今日の稽古は投げ入れ。花材は梅花空木、花菖蒲、文目、匂い菖蒲。

初回はデモンストレーションだったので、今季の生徒さんたちが花に触れるのは初。まずは節供のこと、なぜ5月に端午の節供を設けているのか、「ショウブ」という名で括られる紛らわしい植物について実物を見ながら説明。花のデザインや名の謂れ、見方を広げ、物語が如何に潜んでいるか少しでも伝わればと思う。いける様子を見ていると、手に負えない?いや、大丈夫?やってみるしかない。葛藤が頼もしい。

鋏の使い方、切る時のコツ、身体を通して学んでいくしかないので、まずは1年、季節の巡りに合わせて一回しかない時間を夢中で過ごしてほしい。夢中、三昧、季節や植物と混ざり、今という過去とも未来とも混じる時空をその身で味わう。自我を手放す時間は別様の時空が立ち上がるとき。