花の座伝芭Sansa座二季目も8回目、初雪の便りの聞こえる頃となった。
「立冬」の末候は「金盞香(金盞花咲く)」。金盞とは水仙のことだ。合弁花である水仙の鮮やかな黄色の副花冠はなるほど盞(サカズキ)のよう。お酒をひたして呑んだらどんなに香しいか、さぞ鮮烈で早春の苦味の利いたものだろう。「其のにほひ桃より白し水仙花」という芭蕉の句がある。
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水仙が花やに並ぶのはもう少し先。立冬から小雪のこの時期の主役は菊だ。寒露の頃からがやはり菊の一番の旬だろう。前回は赤系の紅葉をメインにしたので、今回は黄葉しはじめている満作に、蜜柑とさまざまな菊を合わせた。寒くなってきたこの頃は、この色がやはり栄養をくれる。陽光を凝縮したような蜜柑、放射状に光を放つかのような菊。屋号である温室建築と蜜柑(オレンジ)は関係が深い。
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