花の座 伝芭 sansa座。8月のタイトルは『女郎花 竜胆 吾亦紅 アナベル 蓮の実 苅萱 小菊』。メインテーマは重陽の節供だけど、歳時記などを参考にそれぞれの植物の文芸的かけらを掬い、それらの花をそれぞれの身体で活けることで植物と浸透し合う感覚に馴染んでいってもらう。暦のことも外せない。生命指標としての24節気72候は手すりになる。今自分がどういう時空をかっ飛んでいるのかと言うことだ。例えば今は立秋の『蒙霧升降(ふかききりまとう』という候にあたるが、約半年前は雨水の『霞始靆(かすみたなびく)』だった。野で見る吾亦紅や女郎花や竜胆も、自分も蝉も雀も半年前は半年前の姿でその時空を潜っている。そうしてここで植物を媒として座を結んでいる。