北側の広い家を充実させてきた蓼科の別荘地のお庭。増床にともなって南側の土手を、段々畑とそれに連続する坪庭に。
手で積んだ石の柔らかさ。
庭は人が造るけど、人のためだけに造るなんてことはない。自然石をそのまま活かしたこうした石積みには、すぐに植物が乗ったり絡んだりしてくるし、小さな生き物たちが住処にもするだろう。やがて蝶も蜻蛉もやってくる。
人の生きる世界は、人以外の生命体と共有しているという当たり前の感覚を庭は思い出させてくれる。
お客さんの希望であるハーブ類は近所にある苗が充実した道の駅でも実際に見たり、いろいろ調べて植えた。こちらもご希望だったグラス類は様子を見つつ。鹿対策のネットはこの辺では今や必須になってしまった。
先週は72候だと「蟄虫坏戸 ちゅっちゅうこをはいす」。そう言えば、ヒキガエルが工事に驚いたのかどこかから這い出してきた。冬の寝ぐら入ったばかりだったのかもしれない。ちょっと迷惑そう。寝ぐら、たくさん作ったから。
庭はいろんな生き物が生を全う出来る場所になれる。そうすれば、彼らの気が家を守ってくれる。