Flower(花の為事)

『芸術×人類学で体験する古代の神話世界 縄文的生命の躍動/精霊たちの世界』 竹倉史人講演 

精霊たちが遊ぶ森を引き寄せる

みたまのふゆ
  間も無く冬至 静かな世界

 双子の水盤は赤銅色 焼けた大地を思わせる。
 風化した舎利木。
 苔に覆われる唐松の枯れ枝。
 時をまたず大地に帰る二つの景物。

 陰陽が混ざり。真=間は二つあって初めて生まれる。身体もそう。

白山からきた灰色の松と杜松  
   白山は蘇りの地 
   冬至の籠り 繭
  
  松と槇の延命長寿
    常盤木の生命力


  藤豆、楸(ひさぎ)、子宝と繁栄
  昇る雲龍柳 桐は鈴 カラカラと 蕾と実が一緒に冬を越す
  杉と槇には素戔嗚尊も見え隠れ

日陰カズラの長い蔓 
   どこまでも渦巻く
  アメノウズメが襷にかけて 
   大地を踏み踊るという 
  
冬至の朝陽が子宮にとどく  

春の花さくときへ
  白い馬酔木の鈴の花
  灰色の枝先 木瓜の花
 
 アフリカの台地で光る 
  ローダンセは花簪   
  「エバーラスティング」
 
 つらつらと艶の葉の木の赤い花

水仙は寒さで香り蓄え
 冬の氷を引き剥がす  
  
  

赤い色と光る蜜
  金盞花は冠 香りのマント
  悦に入って笑うひと
  星になって歌うひと

      テキスト/塚田有一  
  

*器
  ヘラ絞りによる銅卓盤二台  
*花材
 一 舎利木
 二 アテ(アスナロヒノキ)
 三 唐松苔枝
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 四 這い松(白山)
 五 這い杜松(白山)
 六 杉(白山)
 七 槇
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 八 藤豆
 九 雲龍柳
 十 楸(キササゲ)
 十一 桐の実と蕾
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 十二 日陰カズラ
 十三 馬酔木
 十四 木瓜
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 十五 ローダンセ
    エバーラスティング
 十六 藪椿
 十七 日本水仙