2024年4月20日。[花の座伝芭 Sansa座]今季初稽古。時候は穀雨。都心では暑かったり涼しかったり、桜が思ったよりゆっくり開いたので、いきなり夏っぽくなって春を惜しむ間がない。時の流れの早さに心身が追いつかないほど、桜が終わったら夏だった。先週首都高からは入道雲が見えた。まだ端午の節供の話も気が早い感じがしつつも、みんなと花の連句「めぐり花」をしてみれば、今の依代が現れる。季節がめぐり花が咲くことは賓(まれびと)たちの訪れであり、宴は彼らを歓待し、“今“を祝福し、過去も未来も予祝するもの。花を活けることでいつでも彼らと出会い、触れ合うことができる。この列島の風土だからできることだと思える。花材は春夏あわいの八重桜、山吹、大手毬そして花菖蒲の白に紫。めぐり花の時の音楽は高木正勝さんだった。お菓子は虎屋の「春雷」。(写真:Shinichi Tsukada )