
二〇二四年一月二十日土曜日。骨正月。辰年の初稽古。改めて「こよみ」とは「活ける」とは、年が「あらたまる」とは、、、考えたことをお話しする。

いつもの花の連句「めぐり花」ではなく、初めてそれぞれで活けてもらう。



「暗香浮動」は君子のまつりごとの理想とされる。

おやつは虎屋饅頭。酒種がふわりと香る。

座に集うみなさんが活けたもの。姫薇(ヒメゼンマイ)もさりげないアクセントになる。薇や蕨に一足早い春の喜びを見出すのは世界共通だろう。
岩走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも



梅の姿としては「梅に四貴あり」ということで「老痩蕾稀」が良しとされるが、頭梅と呼ばれる勢いのある花が咲く前の一年枝もまたこの時期には尊ばれる。古びた梅の枝との対比や柔らかな薇との減り張りが出せると、良い音楽が聴こえてくる。
活けることで、また家で活け直すことで、古からの謂れや、古人が自然をどう愛で、季節と一体となって来たか身体に染み込んでくると思う。