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三富で江戸時代からの三富農法を受け継ぐ横山さんの畑を回らせていただき、土の清潔さに驚いてしまいました。土に対するイメージの転回。
さらさらでさわやかでした。
いいにおい。
根のはたらき。野菜は、天地の気を通し、光と風と水と見えないものを食し、流れに身をひたし、人の手が汗が足音が声も一緒になって溶け合って、やがてめぐみをもたらす。
畑は聖地でした。
野菜は、他の生類の心身という土壌を豊かに血液という海もきれいにしてくれます。残されたものは大地に帰って、次の命の場としてよみがえります。
本当に素直な営みがありました。里芋のどっしり艶っぽい豊穣は忘れられません。
「たまたま」という言葉があります。「たまたま」の「たま」は「手間」が訛り、それを重ねて強調した言葉のようです。つまり、丁寧に手間をかけて、ようやく「たまたま」が訪れるのだと思います。たまたまは「偶然」ですが、実はてまひまをかけるが故の「必然」となるのだと思います。
そうした古くからの人の大地と生きていくことによって受け継がれる「魂(たま)」が横山さんの暮らしに感じられました。
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