寄稿/掲載

2022

                                       「白虎舞」

明けましておめでとうございます。

まれびと 来る

彼は長い坑道を抜けて やってくる 新しいピカピカのみたまくっつけ 輝ける橙色の虎のせて千里の道を駆けてきた。

鏡餅は屈んでる。
いのちをたっぷり蓄えて。
春になったらはじけるように
ジャンプする。

鏡餅は輝いている。
ゆく年くる年相照らし、
生も死もみんな
抱いて輝かす。

鏡餅はかぐわしい。これ以上ない
ほどなめらかで、ツヤツヤで
ふっくらしている。
だって神さまが愛でるから。

鏡餅はかみかみもち 
虎のように白い立派な歯が生え
丈夫で
長持ちするように

鏡餅は真っ白だ。ていねいに
手をかけて磨いたら
くすみは取れて
白くなるもの。

鏡餅はまんまるだ。
だってそれが僕たちの手で
できるもっとも素直な
かたち。

鏡餅はかがみみる、僕らの
泉が綺麗かどうか。

綺麗だったらにっこりと
美味しいお雑煮とろけだす。
甘いお汁粉むっちりと、
プクッと焼き餅
福らます。

ふっくらとまあるい笑顔の一年を。

           2022 温室

慈愛の力で千里を駆ける虎に肖ったバイクにまたがり、魔を滅する不動明王の末裔 賀王大牙

虎の威を借り「電光石花、跳梁跋虎」