花綵列島プロジェクト/めぐり花

新学校園 第三回みどりの星の座「山滴るめぐり花」ゲスト稲葉俊郎さん 2019/8/10(土)

第2回目の「七夕めぐり花と花曼荼羅」は新暦七夕の日でした。七夕に降る雨を、織姫と彦星が出会えた喜びの雨(催涙雨)と呼ぶそうですが、大人も子供も霧のような緑雨に染まりながら花を摘んで活けました。
その時の様子は稲葉さんの素敵なブログをご覧ください↓
https://www.toshiroinaba.com/single-post/2019/07/08/「七夕めぐり花と花曼荼羅」世田谷ものづくり学校


8月は暑いからどうしようかと一瞬迷ったりしたのですが、
今年はやはりどっぷりと早いといえばあまりに早い季節の流れに浸ろうと思い、
飛び込むことに決めていたのを思い出しました。
こちらが本気で遊ぼうと思えば、彼らは倍返ししてくれます。

どうぞ暑さ対策、虫避けを用意して、お集まりください。
真夏の緑に塗れる1日を過ごしましょう。

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ID 世田谷ものづくり学校には旧池尻中学校以来の緑が息づいていて、
鳥が運んできた実生のものが増え、新しく植えた植物たちと共存し、様々な生き物もやってきます。
ワークショップの際にはお題に沿って、それらの緑を摘み取って、花を生けることができる都心では貴重な場所です。

グリーンディレクターである温室/学校園の塚田有一は2007年の震災後から花の連句「めぐり花」を続けていますが、ここ学校園での活動が「めぐり花」発想に至るベースを培ってくれたと思っています。花を自ら摘んで、みんなで一つの作品を生み出していく花の連句は、日本人がこの風土で培ってきた方法を新たに見つめることにもなります。お節供や月見などの行事はどんな物語と紐づいているのか、今回は新暦七夕ですから、そうしたお話もします。
都市で「遊ぶ」あるいは日常から脱却し、命を更新していく様々な方法を大人も子供も、老いも若きも、皆さんと探ってみたいと思っています。

ゲスト:東大病院の医師・稲葉俊郎氏
3回目のゲストも稲葉さんをお迎えします。稲葉さんの考える医療と芸能の深い繋がり、多様ないのちそのものの尊さ、人体の歴史、そうしたお話を伺い、一緒に花の連句を楽しんでいただきながら、私たちの中にある地球生命史や風土と出会っていける新たな座をみなさんと作りたいのです。自然との紐帯を確かめながら、楽しんでいきたいと思っています。
以前「めぐり花」に参加してくださった稲葉さんの感想より。「塚田さん主催の温室での「めぐり花」。みんなで花を生けるという共通体験を共有する。
とても面白かった。全員での共同作。全員が美の生産者であり創造者となれば、いろいろと変化が起きると思う。
うまいとか評価とかは必要ないし気にする必要もない。自分自身のあり方の問題だから。」 (稲葉俊郎さん/未来医療研究会)


めぐり花とは

「花綵列島」と呼ばれるこの国の、細やかで深々とダイナミックに移ろう自然の息吹を、その土地で切り取って、活けてゆく。
集った人々と、手に手に花を取って、連歌のように巡って活ける。いつしかそこに、ユートピックなめぐみとしての風景が立ち上がる。「めぐり花」は「花の連句」です。歌うようにみんなで一つの花野世を。
http://onshitsu.com/hanazuna/

学校園とは

温室の塚田有一が主催する「学校園」はIID 世田谷ものづくり学校(以下IID)の協力で2007年からこれまで様々な自然と暮らしをめぐるワークショップを企画してきました。
きっかけは藍。まずはその藍を育てて自分達で染めをやるために、IIDの裏庭のもと学級菜園をお借りしたのでした。
「学校園」では身体を使って、自然との関わりを感じることを大事にしてきました。
自らの手を使って自然の旬のちからを頂き、お節供の知恵や、手仕事の知恵と技術を体感します。それは、ものとこころの接する、様々な軸が交錯し広がりをもつ、豊かな場所への旅でもあります。ものを「創る」とは、こうしてなにかを傷つけてその力を恵みとして受け取ることであり、そしてその痛みに共感することでもあったはずです。
そのことが、今を生きるそれぞれの生を励まし、愉しむことになって、過去現在未来、見えないもの見えるものへの視線を養っていたように思います。学校園のワークショップは2018年より剪定のワークショップがスタートし、今年新たに「みどりの星の座」もスタートを切ります。

イベント概要
タイトル:学校園 | みどりの星の座  
開催日:2019年8月10日(日)
開催時間:14:00〜17:00
場所:IID 世田谷ものづくり学校 Studio(211号室)
参加費:3,500円
持ち物:花ばさみ、草花持ち帰り用の袋 、草むらに入ったりできる服装が望ましい
定員:20名
講師:塚田有一(ガーデンプランナー、フラワーアーティスト)
   [ゲスト講師] 稲葉俊郎(東大病院医師)
対象:どなたでも。親子同伴可(小学生以上高校生までのお子様は半額) 未就学児は無料  
諸注意:鋏を使ったり、草むらに入ったり、木に登る可能性もありますので、怪我には十分ご配慮ください。
(事務局に簡易な手当てキットはございますが責任は負えませんのでご了承の上、ご参加ください。)
お申し込み:下記のフォームよりお申し込みください。
お問い合わせ:hikarionsitu@yahoo.co.jp
主催:学校園/温室


photo by.Kohei Yamamoto
[ゲスト講師] 
稲葉俊郎(いなば・としろう) 医師、東京大学医学部付属病院循環器内科助教。医学博士。1979年熊本生まれ。心臓カテーテル治療、先天性心疾患が専門。在宅医療や山岳医療にも従事。西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修める。2011年の東日本大震災をきっかけに、新しい社会の創発のためにあらゆる分野との対話を始める。単著『いのちを呼びさますもの』(アノニマ・スタジオ)、『ころころするからだ』(春秋社)など。


(写真 下村しのぶ)
[講師]
 塚田有一
 ガーデンプランナー/フラワーアーティスト
 建築家とのコラボレーションによるガーデンデザインのほか、
赤坂氷川神社「はなのみち」、世田谷ものづくり学校「みどりのみち」
西神田温室での「知」の空き地「TERRAIN VAGUE」など、植物と人との紐帯を取り戻す、ジャンルを跨いだ様々な座を開いている。
日々の暮らしと自然への潜り方、多様な学びと遊びがあり、それらの根っこが風土に他ならないことを身体で知っていく場。
アボリジニの「ソングライン」は、日本では「道」と名のつくものや折々の行事、祭り、節供などの形で残っている。東日本大震災をきっかけに生まれた日本列島各地での花の連句「花綵列島/めぐり花」は日本的なソングラインの再編集。ライフワークとして新たな遊びを作りたいと思っている。