Flower Works / セッション・イベント・舞台美術など

クリエイションの未来展 清水敏男監修 第二期枯山水サラウンディング impermanent ♾ I’mpermanent ゲストアーティストとして

2019年1月7日からの新しいバージョンのイメージスケッチ

おおきなつばさをもつものが
人々が留守の間、ここで眠っていた。
風に揺れて鳴るオルガンを子守唄にして。

竹の音を聞きながら、かゞやく姫のことを思ったり、むらさきの獣たちが荒らさないように、時々ここに戻ってくるのだ。

あの時から降り続けている想いを枕に、彼は休み、
歌っている。

姿は見えないが、
時々その声は遠くを連れてかすかに聴こえる。

巣は丸く、冬の陽が射し込んで
まだなお暖かい。

まだおさないつばさをもつもの。
草で編んだ巣。

柔らかい金色と白色の
石で囲われた聖地。
そして秘密の場所。

羽をつくろいながら、
優しい声で歌う。

安心して。
ここなら
時が満ちるまで。

さらさらと
あたたかい。
海が
月が
満ちるまで。

人がいなくなって、
聖地に時が降り積もり、
記憶は埋もれていく。

揺れる羽は「とき」。
静まるフリントは「記憶」。
波音はずっと聞こえている。

人がいなくなって、
つばさあるものが住んでいた。
誰もこないから、ここにかつて在ったものをつばさでまもっているのだ。

彼(彼女)はもういない。
見えないだけかもしれない。

巣の、窪み、痕跡には、
わずかに水が溜まり、苔がむしている。
冬の日に温まると、
苔は磯の香りがする。
                                           
きっとかつて海で揺れていたときのことを思い出しているのだ。

http://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g2-1809/?fbclid=IwAR2zHZySBqVVysKkUI0f4MMsVnKQIg9F_k2YSE9KdGMnfxS9TDxEYwZhWQo